Google 広告およびYahoo!広告の検索広告で結果を出すためには、適切な検索語句での検索結果に、適切な広告を表示させて、適切なリンク先に誘導することが重要です。特に昨今の検索広告では、設定している広告の内容によって広告が表示される検索語句が大きく影響されますので、どのような広告を作るのかがとても大切です。
話を聞いていると、大半の運用者が検索広告はまずキーワードを考えて、その後でキーワードに合わせて広告を作るものだと思っているようです。しかし、先にキーワードを考える方法はおすすめしません。
なので、検索広告で結果を出すための知識と考え方を学べる検索広告基礎講座の第1講目となります今回は、検索広告のアカウント構築はキーワードから考えるべきではない理由を、キーワードから考えられた悪い広告の例を紹介しながら説明します。
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不必要な要素に文字数を取られて特徴を伝えられない
特に、広告ランクを意識して『広告の見出しにキーワードを含めよう』などと思うと、以下のようになんの特徴も魅力もない広告を作ってしまいがちです。
見出し1:弁護士に離婚の無料相談
見出し2:年間1000件の実績○○法律事務所
これは「離婚 弁護士 無料相談」を意識した広告の例です。
検索ユーザーは「無料相談」と含めて検索をしたら『無料相談を受け付けている事務所が表示される』と期待していますから(実際はそんな上手いことはなっていませんが)、見出しで「無料相談」と言わなくてもクリックされるかどうかにそこまで影響が出ない場合もあります。
また、今日びインターネット上で集客をしている法律事務所で無料相談を受け付けていない方がめずらしいので、広告をクリックするかどうかの段階ではユーザーは『無料相談を受け付けている』と広告に見出しに書いてあるかどうかが判断基準になっていない可能性も十分に考えられます。
なので、キーワードに含まれていたとしても必ずしも「無料相談」を広告の見出しに含める必要はなく、他の要素も検討する必要があります。しかしながら、先にキーワードを作ってしまっていると、キーワードに引っ張られてユーザーの判断基準になっていない可能性がある要素を訴求するために不必要に文字数を消費してしまい、他のことを言う余地がなくなり訴求の幅を狭めてしまいます。
検索語句の表現が見出しの記載として適切とは限らない
検索ユーザーが入力する検索語句として一般的な表現であっても、それがウェブサイトの見出しとして適切とは限りません。しかし、キーワードを先に作って「キーワードを含めよう」と意識してしまうと不適切な広告を作ってしまいがちです。
見出し1:男性のハゲにお悩みなら
見出し2:〇〇駅徒歩■分△△クリニック
ユーザーは「男性 ハゲ 悩み」と検索する可能性がありますが、広告の表現としては適切ではありません。
ふつうに「薄毛治療」「AGA」といえば検索ユーザーは「自分に関係があるサイトだ」と気づけますので、検索語句と字面を合わせて「ハゲ」と表現する必要はありません。
アフィリエイトサイトならまだしもクリニックの広告では、その様な表現をしていることによる印象の悪化の方を気にするべきです。
文にならない
キーワードによっては、無理に含めようとするともはや文にならない場合もあります。
見出し1:イヤホン ハイレゾ 通販
見出し2:10年保証・送料無料
これは「イヤホン ハイレゾ 通販」を意識してすべて含めようとした結果です。もはや単語を並べているだけで文になっていません。
必ずしも文である必要性はありませんし、気にしないユーザーもいますが、ニセモノ感というかBot感を感じて敬遠してクリックするのを避けるユーザーもいます。
そもそもネット検索でヒットしたサイトで通販ができないと検索ユーザーは思っていないので、「通販」見出しに含める必要はありません。「通販」を無理に含めなければ「ハイレゾ対応のイヤホン」など自然な表現ができます。
検索広告の広告は広告から作ったほうが良い
このように先にキーワードを作ってしまうとキーワードの字面に引っ張られて上記のような広告を作ってしまいがちです。
先入観なく言うべきことを言えるように、検索広告の広告は、キーワードではなく広告から考えることをおすすめしています。
具体的にどの様に広告を作るのが良いのかは第3講で、その前に「良い広告」はどんな広告なのかは第2講でそれぞれ説明します。
この記事は、Google 広告について高度な知識を有するGoogle 公認エキスパートのうち、国内最初のGoogle 広告 ダイヤモンド エキスパートで、Google 広告・Yahoo!広告などの運用型オンライン広告の運用代行・コンサルティングを専門に手掛けるacssemble(アクセンブル)代表の新田真隆によって書かれました。