Google 広告の「縮小最適化問題」を解説する

今回はGoogle 広告の縮小最適化問題について説明します。

2018年頃からGoogleは、部分一致とスマート自動入札の組み合わせを推奨していますが(プロジェクト名で言うとMugenです)、この背景には、彼らの言う「縮小最適化問題」があります。

Mugen以降の「部分一致 x スマート自動入札」を正しく理解して使いこなすためには、その前提になっている「縮小最適化問題」を正しく理解する必要があります。

また、そもそも「縮小最適化問題」が起きていないのなら、「部分一致 x スマート自動入札」に手を出す必要性がなかったり、むしろ不用意に手を出すことで関連性の低いクリックに多くの広告費を費やしてしまって、かえって広告の費用対効果が悪化してしまう場合すらあります。

なので今回は、Googleのいう「縮小最適化問題」とはなんなのか、そして手元のアカウントに「縮小最適化問題」が起きているかをどう判断したら良いのかを説明します。

  • この記事の要約
    • 縮小最適化問題はコンバージョンの件数を増やしたいときに考えるもの
    • 縮小最適化問題は「入札単価を高めてもコンバージョンの件数が増えない」状態
    • 縮小最適化問題は「ターゲティングにリーチしきっている」ときに起きる
    • 部分一致のキーワードが使われてなくても縮小最適化問題は起きないこともある
    • インプレッションシェアが高いかページ上部表示割合が高いときは要注意
    • 縮小最適化問題が起きているかどうかは入札単価を高めてみれば分かる
    • 縮小最適化問題が起きていないのに「部分一致 x スマート自動入札」はおすすめしない

縮小最適化問題を簡単な言葉で説明する

とても簡単に言ってしまうと、縮小最適化問題はコンバージョンの獲得を増やしたいときに起きる問題です。そして、「入札単価を高めるだけではコンバージョンの獲得件数が増えない状態になっている」、これが縮小最適化問題です。

多くの場合、コンバージョンの獲得件数を増やしたいときにすべきファーストステップは、その時点でコンバージョンの獲得があるターゲティングの入札単価を高めることです。

しかしながら、そのターゲティングの範囲にはすでにギリギリまでリーチしてしまっている場合は、入札単価を高めたところで表示回数やクリック数が増えることはないので、コンバージョンの獲得は増えません。

むしろ、不必要に高く入札してしまうことでクリック単価の上昇を招き、コンバージョンの獲得件数は変わらないけれども、コンバージョン単価だけ高まってしまうという状況に陥ります。

これが「縮小最適化問題」です。

縮小最適化問題が問題になる場面

すでに前の章で触れましたが、縮小最適化問題が問題となるのは、コンバージョンの件数を増やそうとする場面です。

コンバージョンの件数を少し減らしてでも、コンバージョン単価を抑えたいときには縮小最適化問題は問題となりません。

また、縮小最適化問題が起きる前提条件があって、キーワードのテキストとマッチタイプを限定しすぎているなどでターゲティングを絞りすぎていて、かつそのターゲティングにほぼリーチし切っている状態のときに縮小最適化問題が問題となります。

部分一致のキーワードは使っていなかったとしても、インプレッションシェアやページ上部の表示割合が低いなどで、まだリーチする余地がある場合は縮小最適化問題は問題になりません。

縮小最適化問題が発生しているときの状況

次に、縮小最適化問題が起きているときのアカウントの状況を説明します。

以下の図1のように、ターゲティングしている範囲のほぼ全体にすでにリーチしている状態が、縮小最適化問題が問題となる前提条件が満たされている状態です。

図1:縮小最適化問題が起きている場合のターゲティングとリーチの関係

この状態で、さらにコンバージョンの獲得を伸ばそうと思って入札単価を高くしても、すでにターゲティングしている範囲にはリーチし切っているため、表示回数やクリック数が増えることはありませんので、コンバージョン数が増えることはありません。むしろ、コンバージョンの件数は変わらずにクリック単価が高まることによって、コンバージョン単価が上昇してしまう恐れがあります。

一方で以下の図2のような状況だったとしたら、縮小最適化問題はまだ起こりません。

図2:縮小最適化問題が起きていない場合のターゲティングとリーチの関係

この場合は、まだ入札単価を高めることでリーチを拡げる余地があり、かつ、リーチを拡げた先にコンバージョンの獲得が見込める検索語句があるため、入札単価を高めることでコンバージョンの獲得件数を増やせる見込みがあります。

Googleにも、自称Googleに詳しい人にも、どちらにも「部分一致のキーワードが使われていないので縮小最適化問題が発生しています!」と安易に断言する人がいますが、間違いです。

縮小最適化問題が起きているかどうかは、部分一致のキーワードが使われているかどうかではなく、ターゲティングの範囲にリーチし切っているかどうかで決まります。

部分一致のターゲティングにリーチし切ってしまうことはあまりないので、「部分一致が使われていると縮小最適化問題は起こらない」は「真」ですが、その裏の「部分一致が使わられていないから縮小最適化問題が起きている」は「偽」です。

縮小最適化問題が起きているかどうかの確認方法

では次に縮小最適化問題が起きているかどうかの確認方法を説明します。

前の章でも触れましたが、縮小最適化問題が起きているかどうかは、あくまで「ターゲティングの範囲にリーチし切っているかどうか」だけで決まります。なので、部分一致のキーワードが使われていなくても縮小最適化問題は起きていない場合もあります。

縮小最適化問題が起きている状態では、入札単価を高めてもコンバージョン数が増えない状況になっています。そして、コンバージョンの前にはクリックがあり、クリックの前には表示回数があります。

なので、縮小最適化問題が起きている状態は、「入札単価を高めてもクリック数も表示回数も増えない状態」と考えると分かりやすいでしょう。

具体的に言うと、以下の両方の条件を満たしている場合はすでに縮小最適化問題が起きている状態で、片方を満たしている場合は縮小最適化問題が近い状態です。

  • インプレッションシェアが高い
  • ページ上部表示割合/ページ最上部表示割合が高い

インプレッションシェアが高い場合は入札単価を高めても表示回数は増えません。キーワードのテキストや広告との関連性などによって変わってしまうのでインプレッションシェアの閾値を数字で示すことはできませんが、入札単価を一時的に極端に高めてみてもインプレッションシェアがほとんど変化せず表示回数も増えなかった場合は該当すると判断して良いでしょう。

次に、ページ上部表示割合/ページ最上部表示割合が高い場合ですが、この状態で入札単価を高めてもクリック数は増えません。これらが低い場合は、入札単価を高めることでクリック率が上昇しますので、表示回数が変わらなくてもクリック数を増やせる可能性があります。ただ、これらが十分に高い状態ではそれ以上クリック率を高めることはできないので、クリック数は増えません。品質評価などによって変化してしまうので閾値は示せませんが、こちらも入札単価を一時的に大きく高めてみてもページ上部表示割合/ページ最上部表示割合が変化せず、クリック率も変化しなかったら該当すると判断して良いでしょう。

縮小最適化問題が起きているかの見極めが肝心

縮小最適化問題が起きていないのに不用意に部分一致のキーワードを追加してしまうと関連性の低い検索で広告費を多く使ってしまって、インプレッションシェア損失率(予算)が発生してしまい、本来しっかりとリーチすべきところが薄まってしまったりします。(インプレッションシェア損失率(予算)が発生すると何が問題なのかはこちらの記事で説明しています)

簡単に言うと、コンバージョンの件数を増やそうと思って部分一致のキーワードを追加したのに、かえってコンバージョンの件数を減らしてしまう恐れがあります。

最近のGoogleや自称Googleに詳しい人がやたらと進めてくる、部分一致 x スマート自動入札は、縮小最適化問題が起きている場合にすべきことで、縮小最適化問題が起きていないうちに部分一致 x スマート自動入札を使ってしまうと逆効果になる恐れがあります。なので、部分一致やスマート自動入札を試したくなったら、まずは縮小最適化問題が起きているのかどうかを見極めてからにすることをおすすめします。