検索広告の「最適化」を言語化する

Google 広告やYahoo!広告などの運用型広告に携わっている人で「最適化」という言葉を使ったことがない人はいないでしょう。このよく聞く「最適化」ですが、いざ「最適化ってなんですか?説明してください」と言われたら、説明できる自信がない方も多いんじゃないでしょうか。

というわけで、今回はこの「最適化」を言語化します。

「最適化」がなんなのかを理解しておけば、「○○なので最適化が進みます!」のような情報発信を目にしたときに、それが自分の配信に関係がありそうなことか、それとも自分の配信には意味がなさそうか、判断できるようになります。なので、運用者の方にはもちろん、ご自身で運用はしないけれども良し悪しを判断する立場にある方、具体的には代理店などに依頼されている広告主の方にも読んでいただきたい内容になっています。

そもそもなんのために広告をするのか

「最適化」は文字通り「最適な状態に近づける」という取り組みです。なので、広告の最適化を語るためには、まず広告における最適な状態とはどういうものかを考えなければなりません。

そもそもなんのために広告をするのかと言うと、商品・サービスを購入してもらいたい、リードを獲得したいなどの、達成したい目的(長いのでこの記事内では、「広告の目的を達成すること」を「成果」と言い換えます)があって広告をするあるわけです。なので、広告の最適化とは、この目的を達成するために最適な状態に広告をしていくことです。つまりは、成果につながる可能性があるなるべく多くの人に広告を見せ広告を見た人のうちできるだけ多くの人が成果に至ってくれるようにすることが広告の最適化です。

まとめると、広告の最適化とは、

  • 成果につながる可能性がある、なるべく多くの人に広告を見せる
  • 広告を見た人のうち、できるだけ多くの人に成果に至ってもらう

このいずれか、または両方の取り組みを意味します。

検索広告の最適化とはなんなのか

Google・Yahoo!の検索広告でも、成果につながる可能性があるなるべく多くの人に広告を見せる広告を見た人のうちできるだけ多くの人に成果に至ってもらう、という基本は同じです。検索広告の仕組みに合わせて言い換えれば、以下のようになります。

  • 成果につながる可能性がある検索をしている人に、なるべく多く広告を見てもらう
  • 成果につながる可能性がある検索をしている人に、なるべく多く広告をクリックしてもらう
  • 広告をクリックしたなるべく多くの人に、コンバージョンに至ってもらう

また、検索広告ならではの重要な特徴として、品質評価によって必要な広告費が変わることと、クリックに対して料金が発生することがあります。ですから、品質評価を高めて同じクリックをなるべく少ない広告費で獲得すること、成果に繋がる可能性がない人に広告をクリックされないようにして余計な広告費が発生しないようにすることも考える必要があります。

つまり、最適化を検索広告の言葉に当てはめてまとめると以下のようになります。

  • 成果に繋がる可能性があるユーザーに広告を表示させ、成果に繋がる可能性がないユーザーに広告が表示されないようにする(キーワード・ユーザー属性・オーディエンスリスト・デバイス・曜日・時間帯・地域など)
    ターゲティング
  • ターゲティングされたユーザーのうち、なるべく多くのユーザーがクリックしてくれるように広告文を考える
    広告のライティング
    広告とキーワードのグルーピング
  • 広告をクリックしたユーザーのうち、できるだけ多くのユーザーがコンバージョンに至ってくれるようにランディングページを考える
    リンク先のセレクション
  • なるべく少ない広告費でクリックを得る
    広告のライティング

これが、Google・Yahoo!の検索広告の最適化です。

その最適化は、何が最適になるんですか?

とどのつまり、検索広告における最適化とは、どんな属性の、どんな興味関心を持っている人が、どんなキーワードで検索しているときに、どんな言葉の広告を見せるとクリックしてくれそうで、その人に対してどんな説明や後押しをしたらコンバージョンに至ってくれそうなのかを考えて、ターゲティング(キーワード・除外キーワード・オーディエンスなど)・アカウントの構造・キャンペーンの区切り・キーワードと広告のグルーピング・広告のライティング・リンク先ページの選定や調整・入札戦略の選定をしていく行為です。

機械学習の存在感が増してきてから巷の情報発信も、ときによってはGoogleやYahoo!などの媒体の発言も、まるで魔法のように無からコンバージョンが生まれてくるかのような口ぶりで「最適化」が語られるようになってきました。「機械学習を促進して最適化をする」という意識が先行してしまって、広告として本来すべきことを見失ってしまったアカウントを多く見ます。

ところで、検索広告はとてもプリミティブな広告手法です。

検索ユーザーは欲しい商品・サービスだったり、解決したい課題がすでにあるから検索をしています。そして検索語句で「こういうことに困っています」「こういう商品・サービスを探しています」と彼ら彼女らのニーズを表現してくれています。その人に対して、「それだったらうちの商品・サービスはどうですか?」「うちの商品・サービスならその困りごとを解決できますよ」「(他の会社とぶっちゃけ同じだけれども)うちで買うと良いことありますよ」と広告文で提案をし、その押し具合を入札価格で調整するのが検索広告です。いわば空港のお土産屋さんみたいなもので、「お土産を買いたい」というニーズが明確な人が歩いているところにお店を出して「うちだけの商品があるよ」とか「うちで買うとお得だよ」と声掛けをしているようなものです。

なので、検索広告の最適化を考える場合には、そもそも広告をしようとしている商品・サービスはどんな人のどんな欲求を満たしたり困りごとを解消するものなのか、そのような欲求や困りごとを抱えている人はどんな言葉で検索をするのか、そのような検索をしている人にはどんな言葉を見せたらクリックしてくれるのか、クリックしてくれた人に対しては何を言ったらアクションを起こしてくれるのか、と、何のために広告をするのかに立ち返って、これらの各段階に対してポジティブな効果があるかどうかを考えなければなりません。

これらの、そもそもの部分をしっかりした上で、機械学習による最適化を妨げてしまう過剰な細分化などは避けましょうというのが本来の順番です。しかしながら、そもそもの検索広告とは?を見失って先に機械学習による最適化をしようとして迷走しているアカウントを多く見てきたので今回の記事をまとめました。この記事をきっかけに、いまいちど検索広告とは?という視点から管理されているアカウントを見直してみることをおすすめいたします。