広告の成果検証に必要な期間は計算で求められる

広告の成果検証に必要な期間はクリック数で定義することをおすすめしています。

しかしながら、「◯◯クリック」などといったマジックナンバーは存在せず、状況に応じて考える必要があります。ところで、必要なクリック数は目標とするコンバージョン単価およびクリック単価の実測値より、確率論的に計算で求めることができます。

この記事では、広告の成果検証に必要なクリック数の求め方を紹介します。

成果検証期間は日数では定義できない

広告の成果検証のために必要な期間は日数では定義できません。

これは想像に難くないと思います。

約100回/日しか表示されないアカウントと数万回/日くらい表示されるアカウントとで必要な日数が同じなわけがありません。アカウントによって評価しうる状態になるまでに必要な時間は大きく変わりますから、一概に「◯日」と決めることはできません。

成果検証に必要な日数は、予め「◯日は様子を見るべき」と決まっているのではなく、状況によって変わります。検討によって「◯日は様子を見るべき」と求めるものです。

わたしも広告主様には様子を見るべき期間を日数で伝えますが、「以上の理由により、御社のアカウントの今回の施策については、◯日間は様子を見ましょう」とお伝えしています。

巷では、「2週間だ」とか「3ヶ月は必要だ」とか「いやいや3日で十分だ」などと、あたかもマジックナンバーがあるかのように日数を語ろうとする人が少なくありませんが、どうしてそんなことが言えるのか甚だ疑問です。論理的な理由付けもなく「◯日」と提示された日数は星占いのラッキーアイテムくらいの意味しかありません。

成果検証期間はクリック数で定義するべきだが決まった数はない

わたしは成果検証期間をクリック数で定義することをおすすめしています。

広告の成果検証はとどのつまり確率論です。

確率を正しく評価するためには一定以上の試行回数が必要です。

例えば、2人であいこありのじゃんけんをした場合、勝つ確率は1/2です。

ですが、これは理論上の数値であり、勝率の実測値は一回目の勝負が終わった段階では0%か100%のどちらかになります。勝負を繰り返すことで勝率が50%に近づいていきます。つまり、計測される勝率が理論値に近づくためには一定以上の試行回数が必要です。

運用型広告に置き換えて考えてみると、クリック数が試行回数で、コンバージョン率が勝率になります。

運用型広告のコンバージョン率の場合、じゃんけんの勝率のように理論値が求まるわけではありません。実測値から理論値を推測しなければなりませんので、実測値が理論値に十分に近づくためには試行回数、つまり一定以上のクリック数が必要になります。

なので、アカウントの状況に合わせて必要なクリック数を推定してあげれば、そのクリック数を獲得するために必要な日数が広告の成果検証に必要な期間になります。

広告の成果検証に必要なクリック数は一概には決められない

結論を先にいうとコンバージョン率によって成果検証に必要なクリック数は変わります。

なので、広告の成果検証に必要なクリック数をマジックナンバーのように設定することはできません。

なぜか「2,000クリック」をマジックナンバーだと思っている人が多いようですが、何を根拠にこのようなことが言えるのか疑問です。

また、検索広告の場合、キーワードによってはクリック単価が1,000円を超えることもふつうにありますので、2,000クリックも様子を見ていたらその間に20万円もの広告費が使われてしまいます。「20万円使うまでは黙ってろ」なんて他人事だと思ってでもいないと到底言えるものではありません。広告主様の気持ちを考えたらわたしは言えません。

SSRの排出率3%のガチャを34回まわしたらSSRは出るのか

「約33回に1回出るんだから34回やれば絶対出る」と思った方は不正解です。

ソシャゲには手を出さないことをおすすめします。

答えを言うと、SSRの排出率3%のガチャを34回まわした場合に1回でもSSRが出る確率は約64%です。

これはどう求めるかというと、先に「34回まわしても1回もSSRが出ない確率」を求めます。

「34回まわしても1回もSSRが出ない確率」は、1回目に出ない、かつ、2回目にでない、かつ、3回目にでない、、、と、出ない状況が続く場合です。確率において「かつ」は掛け算で計算します。そして、SSRが出る確率が3%なので、出ない確率は97%です。なので、「34回まわしても1回もSSRが出ない確率」は、97% x 97% x 97% x 、、、、を34回繰り返したものなので約36%です。

「34回まわしても1回もSSRが出ない」の反対は「34回まわしたとき1回は出る」なので、求めたい確率は100% - 約36% の約64%です。

なお、53回まわすと約80%、76回で約90%、98回で約95%なので、どうしてもSSRが欲しい場合は運が良くて53回程度、運が悪いと98回程度はまわす覚悟が必要です。

ちなみに、n回まわしてSSRがちょうどm回でる確率は以下の式で求められます。

これを使えば34回まわしたときに2回以上SSRが出る確率なども求められます。

34回まわしたときに2回以上SSRが出る確率は、100% から 0回出る確率(1回も出ない確率)と1回出る確率を引いたものなので、100% - 約36% - 約37% なので約27%と求められます。

必要なクリック数は「目標CPA」と「CPCの実測値」から算出できる

様子を見る期間については、「成果が悪い時」に話題に上がることがほとんどです。

なぜなら、成果が良くなっていると広告主が感じている場合は、そもそも「もう少し様子を見ましょう」と説得(言い訳)する必要がありませんので。

なのでここでは、思ったような結果が出ていない場合についてだけ考えます。

いま、目標とするCPAが10,000円で、クリック単価の実測値が300円だったとしましょう。

このとき、必要となるCVRは、300 / 10000 = 0.03 なので3%です。

CVRが3%のとき、1件以上のコンバージョンが獲得できる確率は、53クリックで約80%、76クリックで約90%、98クリックで約95%です。

なので、慎重に見たとしても98クリック以上発生しているのにコンバージョンがない場合は、CVRは3%を下回っていると判断して差し支えないでしょう。拙速で良いなら53クリックで判断しても良いと思います。

このクリック数を1日あたりのクリック数で割り算すれば必要な日数が分かります。

慎重パターンの場合、1日10クリック程度なら10日、1日20クリック程度あるのなら5日です。拙速パターンなら1日10クリック程度でも6日、1日20クリック程度あるなら3日程度で判断できます。

ただし、クリックの内容も同時に考えないのは早計だ

意外と短い期間で判断ができるとわかったかと思います。

しかしながら、クリック数は単純に数を見ればよいわけではなく、クリックの中身も考えなければなりません。

施策の前後でクリックの内容がまったく同じなのであれば、全体のクリック数で見ても差し支えないでしょう。しかしながら、広告やランディング ページを大きく変えた場合などは、広告が表示される検索語句や広告の表示位置などが大きく変わっていて、変更前と変更後のクリックの内容が同じではない場合もあります。

たとえば、広告を変更した結果、変更前は表示されていなかったような検索語句に広告が表示されるようになっていた場合、拡がり方によっては関連性の低いクリックが増えてしまって、それが原因でコンバージョン率が下がることがありえます。この状況で「98クリック待ったけどコンバージョン率がさがってるから失敗だ!」と判断するのは早計です。元から表示されていた中心的な検索語句に限定してみたらコンバージョン率が高まっている場合もあります。

なので、判断に使うクリック数は、キャンペーンや広告グループなどのまとめられたクリック数ではなく、特定の検索語句群に限定するなど、同じ土俵で変更前後を比較できる様な工夫が必要です。

「数」で教えてもらったほうがわかりやすいでしょうが、マジックナンバーは存在しません。

考え方を身に着け、状況に応じて意味のある数値を自分で求められるようになることをおすすめします。