検索広告で「キーワードなら社名」はダメです

Google 広告およびYahoo!広告の検索広告では、俗に「なら広告」と呼ばれる 「{キーワード}なら{社名}」の構文の広告はダメです。

ですが、「キーワードをタイトルに含めるといい」という十年近く前のテクニック論を未だに信じている人も多く、「リスティング広告 広告文 作り方」などとGoogleで検索すると、いまだに「キーワードをタイトルに含めるといい」と書かれているブログも多いため、「なら広告」を大量に見かけます。

ですが、「なら広告」はダメです。プロの仕事ではありません

この記事では「なら広告」がダメな理由を例を添えて説明します。

「なら広告」がだめな理由1:そう思っているのは広告主だけだから

たとえば「スマホカバーならカチャーン」とか「キッチンリフォームなら縄文瓦斯」とか「ダイエットならマヂフィット」とか言われても、「なんで?」「いや違うけど?」「そもそも誰?」って思いますよね。

「◯◯ならウチ!」と思っているのは広告主だけです。

消費者はそうは思っていません。むしろ別の会社を思い浮かべたりします。

ピンと来ないことを言われても響かないので別の表現を考えるべきです。

(一応すべて架空の名前にしたつもりですが、実在したらすみません)

「なら広告」がだめな理由2:日本語が成り立たない

表計算ソフト上でキーワードを作ってから関数などでキーワードを含めた広告を作ったのか、「コーヒー豆 安いなら下島珈琲」や「離婚届 市役所ならアバーレ」のような、日本語として意味がわからない広告もよくみます。

キーワード挿入機能を利用して「{KeyWord}なら{会社名}」としようものなら最悪です。

キーワード挿入機能では引き当てられたキーワードが挿入されますが、キーワード挿入機能を使うほぼすべての担当者は、キーワード挿入機能を利用していることを忘れます。そして、コンバージョンしたクエリ(ママ)をキーワードとして登録したりするため、意味不明な広告が日に日に増えます。

数多くの運用者を見てきましたが、キーワード挿入機能を利用していることを意識してキーワードの登録や整理ができる運用者は100人中101人目以降です。つまり、レア中のレアです。

「なら広告」がだめな理由3:重複した広告が量産される

たとえばMike(マイケ)ってスポーツ用品ブランドのランニングシューズを取り扱っているとします。キーワードとして「Mike シューズ」と「マイケ シューズ」の両方を登録しているとき、「なら広告」を作る人は「Mikeのシューズなら」と「マイケのシューズなら」の両方を作成します。

が、「Mike」と「マイケ」はまったく同じなので、同じ広告をふたつ作っているのと同じです。

「Mike」のシューズが欲しい人は「Mike」と「マイケ」が同じだとふつうにわかりますからどちらかで十分です。ちなみに、検索ボリュームは圧倒的にカタカナ表記のほうが多くなる傾向があります。

他の例でいうと「新築マンション」と「新築分譲マンション」と「分譲マンション」は同じ意味ですが、キーワードを含めようとする人は「新築マンションなら」「新築分譲マンションなら」「分譲マンションなら」と、ダブった広告を作ります。

ダブった広告は意味がないですし、配信結果の評価がし難くなるので避けるべきです。

2022年7月以降はレスポンシブ検索広告しか作成できなくなりますので、なおのことダブったアセットの作成は避けなければなりません。「新築マンションなら|新築分譲マンションなら」という見出しの広告が表示されることにもなりかねません。

とは言え「なら広告」でも良い場合もある?

ここまで「なら広告」はダメだと書きましたが、「なら広告」でも良さそうな場面もあるにはあるので、紹介します。

「なら広告」でも良さそうな例1:消費者もそう思っている

業界の最大手企業など、「お味噌ならハナマルキ」のように、消費者も「〇〇なら」と言われて連想する企業なら「なら広告」でも良さそうです。消費者の感覚と一致するので受け入れられます。

とは言え、消費者がそのレベルで連想してくれているのなら、あえて「〇〇なら」と主張をする必要はないので、もっと別なことを言うべきですけれども。

「なら広告」でも良さそうな例2:社名・サービス名での検索

『「なら広告」はダメだ』と話すと、必ずと言っていいほど「でもインプが多くてクリック率も高いもん(ママ)」という反論が返ってきます。

検索語句を見てください。

大半が「なら」の後ろにつけている社名・サービス名での検索じゃないですか?

社名・サービス名での検索では、上の方に表示されればクリックされますし、広告内に社名・サービス名が入っているので「なら広告」でも上の方に表示されやすいため、十分に役割を果たします。

ただ、この場合「なら広告」だと社名・サービス名が後ろになってしまいます。

なので、このケースでも「なら広告」が良いわけではなく、社名・サービス名を前に持ってきた広告のほうがより望ましい広告です。

「なら広告」でも良さそうな例3:競合がいない、もしくはしょぼい

『指名じゃないけど「なら広告」がインプが多くてクリック率も高いもん(ママ)』ってケースもなくはありません。

競合がもっとひどい場合、特徴も強みも伝えられていなくても、消費者に「だれ?」と思われていても、他をクリックする理由がないので「なら広告」でもクリックされることがあります。

検索広告はあくまで相対評価です。

他に表示された広告よりましなら社名・サービス名じゃない検索でも、「なら広告」が良く表示され良くクリックされる可能性があります。

が、これは「なら広告」が良いわけではなく、他がダメ過ぎるので「なら広告」でもなんとかなってしまっているだけです。

やっぱり「なら広告」で良い場面はない

というように、「なら広告」でも良さそうな場面は、「なら広告」でもなんとかなってしまっているだけです。どの場面でも「なら広告」よりも良い広告が存在します。

あえて言いますが「なら広告」で良い場面はありません。

安直をせず、「なら広告」じゃない広告をしっかり考えて作りましょう。